情報操作と詭弁 > 論点の誤謬 > 論点相違 > 取るに足りない大騒ぎ
Trivial objections
大局に影響しない些細な点を過度に攻撃することで言説を否定する
<説明>
一般に言説は、論点となる「本質」の部分と論点とは無関係な「皮相」や「抹消」の部分から構成されます。「取るに足りない大騒ぎ」とは、本質部分の些細な誤りや皮相・抹消部分の内容を根拠に論点の事実を否定する「論点のすり替え」です。【枝葉末節】とも言います。
言説Sには非本質的な誤りが存在する。
したがって、言説Sの本質は偽である。
<例>
<例>
A:九条ねぎはネギの中で一番おいしいと思う。
B:いや、私は下ネタネギの方がおいしいと思う。
A:バッカじゃないの?それって「下仁田ネギ」でしょ。ネギの正式な名前も知らずにうる覚えでえらそうなこと言わないでくれる。
B:ちょっと待って。それは「うる覚え」じゃなくて「うろ覚え」でしょ。えらそうなことを言って議論の的を得ていないのはあなたの方です。
A:バカも休み休み言って。「的を得ていない」でなく「的を射ていない」でしょ。
この例では論者が言葉の誤用を指摘し合うことで論点をすり替え、議論はドツボにハマっています(笑)。ここで注目したいのは、両者が互いに相手の言葉の誤用を的確に指摘している点です。つまり、両者は言葉を誤用していますが、いずれも誤用した言葉の意味は相手に確実に通じているものと考えられます。
ヴィトゲンシュタインは、人間は常に【言語ゲーム language game】を行っていて、言葉の「意味」はその「使用」にあると主張しています。つまり人間は、言語をテキトーに勘案して使っているのであって、辞書的に覚えて使っているわけではないのです。そして、言葉の習得は人間が死ぬまで続き、最後まで完成することはありません。
例えば、「げっきょく(月極=つきぎめ)駐車場」や「図のぼんれい(凡例=はんれい)」といった間違いやすい言葉は普通に会話で通じます。誰もがその漢字をどう読めばよいのか迷った経験があるからです。先日、橋下徹氏がtwitterで「ブタペスト」とつぶやいていましたが、これは明らかに「ブダペスト」の誤用であると推察されます。おそらく、橋下氏は「ブタ」と「ペスト」を想起しながら都市名を暗記していたのでしょう。人間は常に言語習得の過程にいるのです。
私自身、かなり大きくなるまで「カメルーン」のことを「カルメーン」だと思っていたり、「はま・ゆうこ(浜木綿子)」さんのことを「はまき・めんこ」さんだと思っていたり、「ドン・キホーテ」のことを「ドンキ・ホーテ」だと思っていました。でも、幸いその誤りが原因で大きな損失を被った記憶はありません。言語の正確性が不可逆的で保証不可能な損害を与えるようなケースでない限り、無知に起因する言葉の誤りは許容可能な些細なことなのです。
<事例1>総理のそもそも発言
<事例1>衆・法務委員会 2017/04/19
山尾志桜里議員:(安倍総理大臣の)「そもそも発言」というのがございます。私との予算委員会でのやりとりで「かつての共謀罪は、いわば、共謀して何人かが集まって合意に至ったらそこで共謀罪になるわけであります。今回のものは、そもそも、犯罪を犯すことを目的としている集団でなければなりません。これが全然違うんです。」と言っていたんです。その三週間後、変わりましたね。オウム真理教を例に出して「当初はこれは宗教法人として認められた団体でありましたが、まさに犯罪集団として一変したわけであります。一変したものである以上それは対象となる」とおっしゃいました。そもそも発言を前提とすれば、オウム真理教はそもそもは宗教法人でありますから対象外ですね。でも、一変したら対象になるとおっしゃっています。どちらが正しいんですか。
安倍晋三内閣総理大臣:「そもそも」という言葉の意味について山尾委員の理解は「はじめから」ですが、辞書を調べると「そもそも」には「基本的に」という意味もあります。つまり、基本的に犯罪を目的とする集団であるかないかがまさに対象となるかならないかの違いであって、つまりそういうオウム真理教の例が挙げられたわけです。当初は宗教法人として資格を備えていると認定されたわけですが、それがある段階において一変をしたのは事実です。つまり、最初からそうでなければ捜査の対象にならないという考え方そのものが大きな間違いであり、いわば基本的に変わったかどうかということにおいて私は「そもそも」という表現を使わせていただいた次第でございます。
山尾議員:詭弁を弄して必死にごまかすわけですけれども、もし本当に最初から「そもそもは基本的にという意味である」と分かってたなら、調べる必要はないんですね。総理、自分で笑ってるじゃないですか?
安倍総理:さきほど私が笑ったのは、私自身ではなくて、そういうことを聞かれたことについて、思わず苦笑してしまったわけでございまして。
山尾議員:器が小さいんだよ!
器が小さかったのは残念ながら山尾議員です(笑)。山尾議員は言葉の多義性を悪用し、安倍総理の説明を曲解して「イチャモン」をつけました。そこで安倍総理が辞書を根拠にその解釈を否定したところ、今度は安倍総理の答弁は詭弁であると主張しました。そもそも(基本的に)このような論者に対する人格攻撃は国民生活とは無縁の無駄なやり取りです。まさに「取るに足りない大騒ぎ」と言えます。
<事例2>総理の言葉の誤用
<事例2a>衆・予算委員会 2017/01/24
蓮舫議員(民主党):総理は演説の中でこんなことを言われました。「ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません。意見の違いはあっても、真摯かつ建設的な議論を闘わせ、結果を出していこうではありませんか」と。衆議院における我々の行動に問題があるという批判は真摯に拝聴いたしますが、自民党が野党だった頃、例えば2010年、衆議院総務委員会の郵政改革法案や放送法改正法案の採決、内閣委員会の国家公務員制度改革関連法案の採決時に、同じくプラカードを掲げ、やじとともに反対行動を取られたのは自民党ではないでしょうか。総理、私たちへの批判とどう整合性を付けておられるのでしょうか。そろそろ他者を批判して自分のみが肯定されるという手法は改めていただきたいと強く申し上げます。
安倍内閣総理大臣:自民党であろうと他のどの政党であろうと、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれない、これは同じことであります。自民党だけを正当化する考えは毛頭ありません。(中略)施政方針演説では「ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません」と申し上げましたが、これはあくまで一般論であって「民進党の皆さんだ」とは一言も申し上げていないわけであります。自らに思い当たる節がなければ、これはただ聞いていただければいいんだろうと、このように思うわけでありまして、訂正デンデンという御指摘は全く当たりません。
民主党政権時の自民党が、何度も繰り返された民主党政権の「いわゆる強行採決」に対し、プラカードを掲げてヤジを飛ばしたことは事実であり、これ自体は言論の府を侮辱する行為であったものと考えます。しかしながら、民主党はこの行為を際限なくエスカレーションさせ、採決の場をデモの場に変えてしまいました。民主党議員はプラカードを委員長席ではなく中継するテレビに向けて阿鼻叫喚のように反対を連呼したのです。安保法制に対する参議院の委員会採決時には、鉢巻を巻いた野党の女性議員を盾にしながら実力行使を行い、最後には暴力行為まで働きました。このような民主主義を逸脱する行為はもはや些細とは言えず、安倍総理大臣も苦言を呈するに至ったのです。その安倍首相の言葉に対して、マスメディアが一斉に噛みつきました。
<事例2b>PRESIDENT Online 2017/07/22
支持率が“危険水域”にまで達している安倍政権。そういえば、安倍晋三首相は2017年の年初からケチがついていた。1月の参議院本会議にて民進党の蓮舫代表の代表質問への答弁の中で「訂正云々(ウンヌン)」を「訂正デンデン」と読み間違えたことは記憶に新しい。「首相が云々(ウンヌン)を伝伝(デンデン)と誤読?」と話題になった。
現政権には、この首相の上をいく人がいる。たとえば麻生太郎副総裁・財務相。「踏襲(トウシュウ)」を「フシュウ」、「未曾有(ミゾウ)」を「ミゾウユウ」、「頻繁(ヒンパン)」を「ハンザツ」などと読んだ“前科”がある。(中略)
大人であれ、子どもであれ、自分で誤読を改める手っ取り早い方法は、周囲の人たちが自身の誤読に対して、に「その読み方って○○が正しいんだよ」と指摘してもらうことだ。すこし恥ずかしい思いを抱きつつ、それをきっかけに以後その漢字の読みに気をつけていく。これを繰り返せば、誤読している漢字の総量を徐々に減らすことができる。だから、手厳しい見立てをすると、誤読を繰り返す権力者のそばには、誠意を持っていさめてくれる人がいないのだろう。すなわち「裸の王様」と化している可能性が高いのだ。
安倍首相が「云々」を「デンデン」と読んだのは事実ですが、国民が損害を受けたわけではありません。「デンデン」の意味は、揚げ足取りのマスメディアによって国民に正しく伝えられたからです。たとえ総理大臣であろうと、人間である限り、言葉の読みを間違えるのはむしろ当然です。それを「誤読を繰り返す権力者のそばには、誠意を持っていさめてくれる人がいない」と根拠なく推定した上で「裸の王様」と結論付けて【人格攻撃】するマスメディアこそ、明らかにその人格に問題があります。裸の王様である第4の権力に対し、誠意を持っていさめる次第です。
<事例3>大臣の遅刻
遅刻は代表的なヒューマン・エラーです。遅刻をしたことがない人はこの世の中にいないでしょう。もちろん、遅刻は他者に対して迷惑をかける加害行為であるため、発生時にはその責任と加害を認めて謝罪するのが一般的な慣行です。しかしながら、その責任を追及して必要以上に懲罰するのは合理的ではありません。なぜなら、遅刻はヒューマン・エラーであるため、責任を追及する本人がいつ遅刻しても不思議ではないからです。いくつか事例を見ていきたいと思います。
<事例3a>産経新聞 2015/03/30
■自民・片山氏が理事懇遅刻 参院外交防衛委
参院外交防衛委員会の片山さつき委員長(自民党)は、30日昼の同委理事懇談会に数分遅刻した。野党側は退席したため、開催は見送られた。野党側は「片山氏の謝罪では済まされない」と徹底追及する構えだ。
<事例3b>参・外交防衛委員会 2015/04/02
片山さつき委員長:ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。議事に先立ちまして、一言申し上げます。去る3月30日の11時半からの理事懇談会に遅刻いたしましたことにつきまして、重要案件が山積する本委員会の審議を滞らせたことの責任を重く痛感をしております。改めて、皆様に深くおわびを申し上げます。委員長といたしましては、2月12日の理事会に引き続きましてこうした事態になったことを重く受け止めておりまして、今後も皆様方の御指導、御協力を賜り、引き続き、中立、公正、公平かつ円滑、円満な運営に努め、職責を果たしてまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
小西洋之議員(民主党):冒頭、ただいま片山委員長が謝罪をなさいました、去る3月30日の理事懇での委員長の遅刻の件につきまして委員長に御質問をさせていただきます。本来、今日のこの委員会は3月31日の火曜日に開催をされるはずでございました。委員長の遅刻によりまして、その日程がずれてしまったということでございます。片山委員長におかれましては、昨年九月、御嶽山の噴火に際しまして、まだ必死の救命活動が行われているそのさなかに、我が党を誹謗する事実無根の内容をツイッターで発信をされました。また、昨年十月には、外務省、防衛省に対して政府用の大臣答弁を要求なさり、そしてそれを委員長席に置きながら、それを御覧になりながら委員会を、議事を運営していたという、まさに委員会運営の中立、公正、また公平性を否定する暴挙を犯されました。それに重ねて今回の遅刻でございます。この外交防衛委員会は、集団的自衛権の憲法解釈の変更を始めとする安保法制など、まさに国民の皆様の命そのもの、また、日本が培ってきた平和主義、国の在り方、そして日本の民主主義、法の支配や立憲主義、そうしたものを議論している本当に大切な委員会でございます。委員長のそうした様々な言動が、こうした委員会の信頼を失墜し、またその委員会の運営を損ね、ひいては国民から我々立法府に対する信頼を損ねてしまう、そうした危機にある状況だというふうに思います。委員長に伺わせていただきます。先ほど謝罪の言葉をいただきましたけれども、申し訳ございませんが、早口で書かれているものをお読みになっているように聞こえてしまいました。もう一度、委員長の心からの気持ちとして、御自身の言葉で謝罪のお言葉を、あるいは今回の問題についての御所見をいただけますでしょうか。
片山委員長:ただいま小西委員から御指摘いただきましたとおりでございます。私といたしましては、本当に、御指摘につきまして、私といたしましては、誠に、私の責任において、このような御迷惑を掛けてしまったことを非常に申し訳なく思っております。皆様に大変御指導をいただきながら、この半年間、様々な職務がありまして、二度とこういうことがないようにと本当に注意をしていて、そして、それでも間に合うことができなかったことにつきまして大変申し訳なく、悔しく、本当に、本当に申し訳なく思っております。これからも御指導を賜って、御指導を賜って、職責を果たしてまいりたいと思います。本当に申し訳ございませんでした。
小西議員:片山委員長から今謝罪のお言葉をいただきました。委員長の謝罪の言葉を、ここにいる先輩、同僚議員の皆様、我々として、どのように受け止めるか。また、これは国会を運営する会派自身の問題でもございますので、特に与党・自民党にあられては、この問題についてしっかりと受け止めをしていただきたいと思います。本来、昨年の十月に、政府答弁を要求なさって、手元に持って議事運営を、進行していたその段階で、議院内閣制の三権分立の趣旨に照らせば、それは当然に辞職をなさるものだというふうに思います。そうしたことも含めて、委員長におかれましては深く深く猛省をお願いをいたします。
野党議員は、片山委員長が委員会の理事懇談会に数分遅刻したことを根拠に理事懇談会をボイコットして委員会審議の日程を遅らせました。小西議員は片山委員長を長々と激しく叱責した上で謝罪を再度繰り返すよう要求し、さらには辞任するのが当然であると主張しました。確かに片山委員長が理事懇談会を遅刻したことは謝罪に値しますが、遅刻がヒューマンエラーである限り、その行為に対して必要以上の懲罰を加えることは非論理的です。何よりも、国民の血税から1か月100万円の給料を受けとる公務員である国会議員が、わずか数分の遅刻を根拠に国民の委員会を質に取ってその日程を遅らせるなど、傲慢極まりない言語道断の背信行為に他なりません。
さて、その約3か月後、今度は小西議員が委員会を遅刻しました。
<事例3c>参・外交防衛委員会 2015/06/11
片山さつき委員長:外交、防衛等に関する調査を議題といたします。質疑の開始前に一言申し上げます。本日、定刻に委員はおそろいになっておられましたが、最初に御質問予定の民主党小西洋之委員が遅れられたため、私ども、合意として約3分弱お待ちいたしましたが、最初の、冒頭の質疑者である等とも鑑み、二度とこのようなことがないように十分に御注意をいただきたいと思います。その上で、御質疑のある方は順次御発言願います。
小西洋之議員(民主党):今、委員長から御注意をいただきましたように、委員長、また先輩、同僚委員の皆様、また大臣始め政府の皆様、大変に失礼をいたしました。二度とこのようなことがないようにいたします。失礼いたしました。では、質疑の方を行わさせていただきます。外交、防衛に関する一般質疑ということでございまして・・・
わずか3か月前にあれほど激しく委員長の人格を攻撃した小西議員が、軽く謝罪した上で何もなかったかのように質疑に入りました。遅刻は謝罪に値しますが、この程度のことで済ますのが社会的慣行です。この慣行を逸脱して委員会を遅らせた野党は、勘違いも甚だしい「取るに足りない大騒ぎ」を犯したと言えます。
さらに残念なことにこの非常識な野党の「取るに足りない大騒ぎ」は現在も継続中です。
<事例3d>毎日新聞 2021/05/13
■三原じゅん子副厚労相が委員会遅刻 会議5時間以上中断
参院厚生労働委員会は13日、三原じゅん子副厚労相が約30分遅刻したことに野党側が猛反発し、5時間以上にわたり空転した。自民党側の説明によると、厚労省内の情報共有が不十分で、三原氏は省内の会議に出席していたという。このため、同委員会でこの日予定していた医療法改正案の採決は見送られた。
<事例3e>参・外交防衛委員会 2021/05/20
■「繰り上げ」伝わらず中山防衛副大臣が2分遅刻、委員会は流会
参院外交防衛委員会は20日、中山泰秀防衛副大臣が約2分遅刻したことに野党が反発し、流会となった。13日に三原じゅん子厚生労働副大臣が参院厚労委員会に遅刻し、謝罪に追い込まれたばかり。政府・与党からは終盤国会への影響を危惧する声が相次いだ。
外交防衛委は午前10時から開会予定だった。冒頭に予定されていた自民党の14分間の質疑がなくなったため、立憲民主党が繰り上げで最初に質問することになった。防衛省の事務方はこれを把握していたが、中山氏には伝わっていなかった。
そして、このような問題が生じると、それを利用して大問題化するのが蓮舫議員です。
<事例3f>蓮舫議員 twitter 2021/05/13
三原じゅん子副大臣が委員会に来ないという異例の事態です。法案審議が出来ずに委員会は止まったまま。13:30からの委員会に三原副大臣が現れず、どこで何の用事で不在なのかを厚労省の役人も承知していない事態です。国対委員長会談で私たちから自民党に報告を求めているところです。
<事例3g>蓮舫議員 twitter 2021/05/20
三原じゅん子副大臣が厚労委員会で謝罪したのが一昨日、加藤官房長官に厳重注意を受けたのが昨日。そして、今日は中山泰秀副大臣が委員会に遅刻。
確かに遅刻は謝罪に値しますが、それを根拠にして主権者である国民のために存在する国会の委員会を質に取るのは非論理的です。国会の委員会を勝手に流会させて遅刻の傷を拡げる野党議員は、国民のために反発しているのではなく、自分たちのために反発していると言えます。国民本位であるならば、責任をもって委員会を継続するのが合理的です。実際、野党時代の自民党は、前代未聞の大臣の遅刻に対しても委員会を必要以上に遅延させることはありませんでした。
<事例3h>参・外交防衛委員会 2010/03/03
■仙谷・前原・原口3閣僚が遅刻 予算委開会15分遅れる
2010年度政府予算案の審議が始まった3日の参院予算委員会に、仙谷由人国家戦略担当相、前原誠司国土交通相、原口一博総務相がいずれも数分間遅刻した。これに野党が「参院軽視」と抗議。結局、委員会の開会が約15分遅れ、冒頭、平野博文官房長官と3閣僚が陳謝する異例の事態となった。遅刻の理由について、内閣府の仙谷大臣室は「事務連絡のミス」、総務省幹部も「事務方の日程作成上のミス」としている。前原氏は日程は知っていたが、ギリギリ間に合わなかったという。
なお、大臣の閣議への遅刻も散見されます。
<事例3i>参・外交防衛委員会 2021/07/30
■丸川大臣が閣議に5分遅刻…理由は ?「あってはならない」と加藤官房長官
丸川五輪担当相が、7月30日午前の閣議に遅刻した。これについて加藤官房長官は「閣議に遅れることはあってはならない」と丸川大臣を注意したことを明らかにした。丸川大臣は午前10時から首相官邸で行われた閣議に5分程度遅刻、小走りで官邸に現れた。丸川大臣はこの後、記者会見で遅刻した理由について「高速道路の入口が五輪対応で封鎖され、都内も渋滞していたため」と釈明した。
交通渋滞は不可抗力ですが、蓮舫議員は丸川大臣を極悪人のように責め立てます。
<事例3j>蓮舫議員 twitter 2021/07/30
五輪のために首都高ロードプライシングを導入したのは政府。その影響で一般道は相当な渋滞です。渋滞を避けるための1000円上乗せも痛い。事前にどの入り口が封鎖か、一般道渋滞を避ける行程のために秘書官とSPがいるはずです。それでも遅刻とは。
ただ、交通渋滞による遅刻が日常茶判事であることは普通の国民なら誰でも知っています。
<事例3k>長妻大臣閣議後記者会見 2009/09/18
おはようございます。まずもってお詫びをしなければなりませんのが、今日、9時30分から閣議がございましたが、遅刻を致しまして、大変御迷惑をおかけしました。申し訳ございません。これは、事故ではないかという問い合わせもございましたが、事故ではございません。渋滞になりまして遅れてしまったわけでございます。官房長官、総理にも謝罪をしたところでございます。二度と遅れないように、私も都市部の若干外れに住んでおりますので、渋滞の時間等も勘案して車も来ていただくようにしていきたいと考えております。
そして、遅刻と言えば、蓮舫議員自体も例外ではありません。
<事例3l>参・決算委員会 2012/10/18
蓮舫議員:おはようございます。民主党の蓮舫でございます。今委員長からもございましたが、今日の決算委員会は、東日本大震災からの復旧復興の予算、その在り方について審議を行うということになりました。是非、今日は担当大臣、財務大臣、そして復興担当大臣、関係の方たちにも来ていただいておりますので、今メディア等で相当厳しい御批判をいただいている事業もございます。それについて御判断をいただきまして、執行中のものであっても問題がありと思うものは執行停止をする、使っていない予算においてはもう使わない、本当に大切に限られた財源を使っていくという姿勢を是非お示しをいただきたいということをまずもってお願いを申し上げます。
森まさこ議員(自民党):本日は、復興予算の流用問題という重要な問題でございます。どうぞよろしくお願いいたします。蓮舫議員から一言なかったのですが、本日のこの重要な質疑、冒頭、蓮舫議員、民主党筆頭理事ただ一人が遅刻してこられて開始時間が遅れました。衆議院のこの問題に関する決算行政監視委員会にも民主党が欠席をされて流会になりました。大切な復興予算の使い道の問題でございます。民主党議員には身を正していただきたいということを一言申し上げておきたいと思います。そして、この復興予算、執行の責任は民主党政権にあるんです。人の責任にするぐらいだったら政権の座を即刻返上していただきたいということも申し上げたいと思います。
<事例3m>朝日新聞 2012/10/18
復興予算の流用問題を審議した18日の参院決算委員会で、最初の質問者だった民主党の蓮舫氏が10分ほど遅刻し、開会が遅れた。参院民主党幹部によると、委員会前の理事会で自民党の山本順三委員長が休憩を宣言したため、蓮舫氏は開会が遅れると思って協議内容を国対幹部に報告していたという。同氏は周辺に「勘違い」と説明。質疑では自らの遅刻に触れず、次に質問に立った自民党の森雅子氏は「身を正してほしい」と批判した。
他人にケチをつける人物ほど自覚がないと言えるかもしれません。自分が遅刻した時は謝罪一つありませんでした(笑)
以上のように、国会では、あまりにも些細な「取るに足りない大騒ぎ」が日常茶飯事のように行われています。バカにされているのは、こんな戯言に血税を支払わされている国民に他なりません。